合格おめでとう。
本当によく頑張ったな。
今年の各都道府県の教員採用試験に合格した諸君、おめでとう。
いよいよ来年から念願の教師として教壇に立つことになる。
はっきり言おう、なかなか厳しい世界だ。後にも書くが自分には合わないと思ったらやめる勇気も必要だということも覚えていてほしい。
だが、それ以上に魅力的な部分があり、やりがいのある仕事であることもまた事実だ。頑張ってくれ。
さて、先日「4月の新採用までになにかやっておいた方がいいことってありますか?」という質問を受けた。そこで私なりの皆さんへのアドバイスをしたいと思う。
絶対やれとはいわない。自分に必要だと思うことがあればぜひチャレンジしていただければと思う。
ではいくぞ。
遊ぼう。
とにかく何でもいい。遊んでおくことだ。
ゲーム、アウトドア、スポーツ、カラオケ、読書、映画鑑賞、飲み会、本当に何でもいい。
ONとOFFの切り替えが上手なものはストレス耐性が高い。自分にとって最高のストレス発散方法を見つけておこう。
恋愛も大いに結構。人生経験は多い方がいい。
ただし、遊びもあまりにハメを外すのはもうおしまいだ。酔って記憶をなくすことも学生ならあり得ることだが、警察沙汰になれば採用なんてのは簡単に取り消されるぞ。常識の範囲内でな。
本を読もう。
これも大事だ。実体験だけでは不足する知識を補足することができる。
教育関係の本については、大学の教授や大学図書館の司書、ツイッターの教育関係者の発信などにお任せしておくことにする。
ただ一つ、これを読んでおけば学級経営も指導もばっちりなどというバイブルは存在しないということは言っておこう。あくまで知識の補足程度に考えておくように。
教育書以外で私がおすすめの本をいくつか紹介する。
良ければ読んでみてくれ。
「マンガで見るエッセンシャル思考」
この本は仕事・作業の優先順位を決めることにとても役立つ。みなさんもご存じだろうが教員はとにかく忙しい。仕事の取捨選択はとても重要だ。
マンガ版が読みやすくておすすめだ。
「目からウロコのコーチング なぜ、あの人には部下がついてくるのか?」
私はコーチングの本をいくつか読んでいるが、この本が最近では一番わかりやすかった。文庫本なので価格が安いのも魅力だな。
コーチングとは、相手が自分で目標を考え、行動するためのサポートをすることだ。
会社の上司と部下の内容だが、承認すること、信用すること、自ら答えを見つけることなど、教育現場でも役立つノウハウや概念が丁寧に書かれている。
これを子供の発達段階に応じて応用すれば、子供たちとの人間関係や学級経営に大いに役立つだろう。
「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」
ずいぶん長いタイトルの本だが、著者は最近話題の落合陽一。天才肌の彼の本は難解なものがおおいが、この本は割と読みやすいぞ。
上のコーチングの本はどちらかというと学級経営や人間関係に関するものだが、こちらは学習に関する内容といえるだろう。学び方、学ぶ意味、思考の訓練など、学習で実践できるものが多く書かれている。
旅にでよう。
旅はいい。私は学生時代に北海道から沖縄まであちこちに行った。そのためにバイトしていたようなものだ。
それでも金はなかったので、大学の友達の実家に泊めてもらったり、雑魚寝の健康ランド的な施設にお世話になった。いろいろなトラブルも将来的にはネタになる。
各地の方言の話やローカルフードの話、旅行中のトラブルの話、行った先の人との交流。
子供たちはそんな話が大好きだ。
授業の隙間時間や給食中、休み時間などに話すネタが多いといいぞ。
まぁ、旅行中の自分が一番楽しいというのが結論なのだが。
バイトしよう。
教員になったら副業は基本的にできない。
教育学部の学生は塾講師や家庭教師などのバイトになりがちだが、ぜひ様々な短期バイトにも挑戦してみてほしい。
コンビニ店員、イベントの運営や警備、工事現場、何かの調査員、選挙関係、飲食etc…
この世界には様々な業種がある。それぞれにやりがいや苦労、適性がある。いろいろな仕事を経験することは無駄ではない。
教員になると、親とのかかわりも避けては通れない。家庭によってもちろん様々な職業に就いているわけだから、いろいろな職業を知っておくと理解が深まったり役に立つことがあったりするかもしれないな。
バイトではないが、世の中には様々な方法でお金が稼げることも知っておくといい。わかりやすいのであればメルカリやココナラで自作のものやイラストを売る、ブログでアフィリエイトやアドセンスという広告収入を得る、YouTuberもそうだな。
興味があるのなら何でもチャレンジしてみよう。
身体のメンテナンスをしておこう。
これはこのままだ。マジで大事。
身体の悪いところはストレスで悪化することがある。また就職すると忙しくて病院などにも自由に行けなくなる。
虫歯、アレルギー、視力、持病など、すでに分かっている身体の不具合があるのなら学生のうちにできるだけ治療や対処をしておこう。
教員になることが終着点ではない
最後に。
教員になることが人生の終着点ではない。もちろん皆もわかっていることだと思う。
この言葉には二つの意味がある。
一つは、教員採用合格はスタート地点であり、これからが本番である。ということ。
就職してからも学ぶ姿勢を忘れず、時代に合わせて自分をアップデートして、子供たちの成長をサポートすることだな。
そしてもう一つは、教員だけが君の選択肢だということではない、ということ。
正直この職業は特殊で、向き不向きもある。いくら好きでなった職業だとしても、自分に合っているかどうかは別問題だ。
また、合っていたとしても、環境や人間関係で苦しむことがあるかもしれない。
体を壊して、心を病んでまで続けるべき仕事など、この世にはないと知ってほしい。仕事は自分が幸せに豊かに生きるための手段だ。
手段に苦しめられる必要はないぞ。手段はほかにもたくさんある。
そのことを忘れないでほしい。
まぁ今までいろいろと書いたが、けっして脅かしているわけではないからな。
どんな職業でもそれなりに苦労はある。
さぁ、4月までの半年、ぜひ自分のために時間を使ってほしい。それは自分への先行投資でもある。あまり肩ひじ張らずに、気持ちをアゲていこうな。
君たちの素晴らしい未来がありますように。
応援しているぞ。
大導寺 匠
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